賃貸・売買をしている不動産会社は、大手の不動産ポータルサイトへの掲載をしている企業も多いのではないでしょうか?
SUUMO(スーモ)、HOME’S(ホームズ)、at home(アットホーム)などの賃貸・売買を掲載出来る不動産ポータルから、賃貸専門のポータルサイト、不動産購入専門のポータルサイトまで幅広く存在します。
不動産ポータルサイトの掲載課金の3つの種類
- 掲載課金:月額●●円などの掲載費。掲載する物件数によっても変動する。
- 反響(問合せ)課金:反響1件あたり●●円などの広告費が発生。
- 成約課金:賃貸・売買の成約あたり●●円、もしくは家賃や購入金額の●%など。
の大きく3種類の掲載方法がありますが、反響が見込める大手はほぼ”掲載課金”方式となっています。
中堅のポータルサイトは”反響課金”、新興のポータルサイトは成約課金が多い傾向があります。
それは何故でしょうか?
1. 掲載課金モデル
メリット
掲載課金のサイトは、CMを流しているような大手の不動産ポータルサイトなど知名度が高い不動産サイトが多く、掲載することで一定の件数の反響が見込めます。
デメリット・注意点
掲載課金で気をつけなければならないことは、
「月額●●●円を使って■■件の反響が見込めるのか、そこから▲▲件の成約に繋がるのか」
という、“反響単価”と“成約単価(または成約率)”という2つの数字に着目しなければなりません。
例)月額30万円を払って100件の物件を掲載したケース
月に50件の反響が発生、成約が10件でした。この場合、
合計の広告費はもちろん30万円
反響単価は6,000円(30万÷50件)
成約単価が3万円(30万円÷10件)
成約率は20%(成約10件÷反響50件)
ということになります。
この成約単価が効率が良いのか悪いのかの判断については、賃貸の場合は賃料とADの有無・内見に掛かる案内時間によって異なり、売買の場合は価格と手数料などによっても変わってきます。
家賃5万円前後の賃貸で成り立っている不動産会社の場合は、割高になるでしょうし、5,000万円のマンション販売をしている不動産会社の場合は割安で集客出来ていると言っても問題ないでしょう。
このケースで考えると、反響単価をより安くたくさん集めるための物件を掲載するのか、問合せの数が多少少なくなっても成約率が良さそうな物件を掲載するのか、目標の反響単価・成約単価を定めて出稿する物件も戦略的に選ぶ必要があるでしょう。
2. 反響課金モデル
メリット
反響課金モデルでは、反響1件あたり●●円の広告費が発生しますので非常にシンプルです。
そのため、掲載課金モデルで必要だった“反響単価”を気にしなくても良い点もメリットの1つです。
デメリット・注意点
反響課金のサイトの多くは、大手ではなく中堅の不動産サイトが多いでしょう。そのため、どのサイトに出稿しているかで問合せが発生件数にバラ付きが発生する可能性も考えられます。
あまり多くの反響が発生してしまうと払えない金額を請求される可能性もございます。そのため、件数や予算に上限を設けておくことに注意が必要です。
例)反響単価6,000円で掲載したケース
月に50件の反響が発生、成約が10件でした。この場合、
合計の広告費は30万円(6,000円×50件)
反響単価はもちろん6,000円
成約単価が3万円(30万円÷10件)
成約率は20%(成約10件÷反響50件)
ということになります。
このケースの場合は、反響単価が固定となりますので成約率の高い問合せを増やすことが出来れば、成約単価が下がっていきます。
成約率が高い問合せを増やすための戦略を練ることで、電話対応や内見などの案内する社員さんの負担も減るでしょう。
3. 成約課金モデル
メリット
成約課金モデルでは、成約1件あたり●●円もしくは●●%などの金額を支払う課金モデルです。
成約1件あたりの売上に対して広告費が明確になっており、もっともリスクの少ない広告モデルでしょう。
また、成約したかどうかの確認のために、成約お祝い金をユーザーさんに支払うような仕組みを導入しているため、問合せからの成約率も多少は高い可能性もあります。
デメリット・注意点
成約課金の不動産サイトの多くは、ここ数年で立ち上がってきたものが多く、大手・中堅と比較すると実績や知名度は劣る可能性はあります。
また、成約お祝い金をユーザーさんに支払う分も成約課金の広告費に含まれていると考えられますので、その分が上乗せされていると考えても良いでしょう。
例)成約単価3万円で掲載したケース
月に50件の反響が発生、成約が15件でした。この場合、
合計の広告費は45万円(30,000円×15件)
反響単価は9,000円(45万円÷50件)
成約単価がもちろん3万円(ユーザーへのお祝い金1万円分含む)
成約率は30%(成約15件÷反響50件)
ということになります。
成果単価の中にユーザー様へのお祝い金を含みますので、成約課金で運営している会社は利益が減ります。そのため広告費を多く掛けることが出来るのか?という点が不安材料になります。